個人間融資の利息はいくらまで?上限金利と税務リスクを徹底解説

個人間融資の利息はいくらまで?上限金利と税務リスクを徹底解説 個人間融資

友人や家族にお金を貸すとき、利息をいくら設定すればいいか迷ったことはないでしょうか。個人間融資の利息には、実は2つの法律による上限があります。設定を間違えると違法になるだけでなく、利息なしにしても税務上のリスクが生じることがあります。

この記事では、個人間融資の利息に関わる法律の仕組みを整理しながら、貸す側・借りる側それぞれが知っておくべきポイントを解説します。SNS経由の個人間融資の危険性や、トラブルを防ぐ借用書の書き方まで、具体的にまとめました。

  1. 個人間融資の利息とは何か?
    1. 個人間融資における「利息」の定義とは?
    2. 金融機関の融資と個人間融資の利息はどう違うのか?
    3. 利息を設定しないとどうなるのか?
  2. 個人間融資の利息を規制する法律とは?
    1. 利息制限法とは?上限金利はいくらか?
    2. 出資法とは?109.5%という数字の意味とは?
    3. 利息制限法と出資法の違いとは?どちらが優先されるのか?
  3. 個人間融資で設定できる上限金利はいくらか?
    1. 借入額ごとの上限金利一覧(10万円未満・10〜100万円・100万円以上)
    2. 上限金利を超えた場合に何が起きるのか?
    3. 結局、個人間融資で安全な金利は何%なのか?
  4. 利息なしにした場合の贈与税リスクとは?
    1. 無利息の貸し借りが「贈与」とみなされるケースとは?
    2. 民法改正後の法定利率3%はどう関係するのか?
    3. 贈与税がかかるケース・かからないケースの違いとは?
  5. 利息ありにした場合に貸主が払う税金とは?
    1. 受け取った利息は雑所得として課税される理由とは?
    2. 利息が年20万円以下の場合はどうなるのか?
    3. 確定申告が必要になる目安はいくらか?
  6. 遅延損害金の上限とは?延滞した場合のリスクとは?
    1. 遅延損害金の上限金利29.2%の根拠とは?
    2. 遅延損害金と通常の利息はどう違うのか?
    3. 返済が遅れた場合に借主が受けるリスクとは?
  7. SNS・掲示板の個人間融資が危険な理由とは?
    1. 「お金貸します」の書き込みが違法になる理由とは?
    2. 反復継続的な貸し付けが貸金業法違反になる仕組みとは?
    3. 闇金と個人間融資の見分け方とは?
  8. 借りる側が知っておくべき法律リスクとは?
    1. 法外な利息を請求された場合に取れる対処法とは?
    2. 個人情報を要求された場合の危険性とは?
    3. 違法業者からお金を借りた場合に借主が受けるリスクとは?
  9. 貸す側が守るべきルールとは?
    1. 無登録で繰り返し融資すると貸金業法違反になる理由とは?
    2. 取り立て行為に制限がある理由とは?
    3. 債権を第三者に売却する場合の注意点とは?
  10. 個人間融資でトラブルを防ぐ借用書の書き方とは?
    1. 借用書と金銭消費貸借契約書の違いとは?
    2. 借用書に必ず記載すべき9つの項目とは?
    3. 口約束だけでお金を貸した場合にどうなるのか?
  11. 親族間の貸し借りで特に注意すべきポイントとは?
    1. 親子・夫婦間の無利息貸し借りが贈与とみなされるケースとは?
    2. 「出世払い」「あるとき払い」が危険な理由とは?
    3. 返済を証明するために残すべき記録とは?
  12. 個人間融資の代わりに使える正規の借入方法とは?
    1. 消費者金融・カードローンとの安全性の違いとは?
    2. 審査に不安がある場合に利用できる公的制度とは?
    3. 正規の貸金業者を見分けるために確認すべき点とは?
  13. FAQ
    1. 個人間融資で利息を取らなければ違法にならないのか?
    2. 友人への貸し付けで年20%を超える利息を設定した場合どうなるのか?
    3. 利息の計算はどのように行えばよいのか?
    4. 既に高金利の利息を支払ってしまった場合、取り戻せるのか?
    5. SNSで見かけた「ブラックOK・即日融資」の個人間融資は利用してよいのか?
  14. まとめ
    1. 参考文献

個人間融資の利息とは何か?

個人間融資で金利を決める前に、まず「利息とは何か」を整理しておきましょう。法律の適用範囲を知ることが、トラブル回避の第一歩になります。

個人間融資における「利息」の定義とは?

利息とは、お金を借りた対価として貸主に支払う報酬のことです。元本に対して一定の割合(金利)で計算されます。

個人間融資の場合、当事者間で自由に利率を決められると思われがちです。しかし、利息の上限は法律で明確に定められており、個人間だからといって例外にはなりません。

金融機関の融資と個人間融資の利息はどう違うのか?

銀行や消費者金融などの貸金業者は、利息制限法と貸金業法の両方に縛られます。そのため、上限金利は借入額に応じて年15〜20%に抑えられています。

一方、個人間融資では貸金業法は適用されません。ただし、利息制限法と出資法は個人間の貸し借りにも適用されます。「個人だから法律は関係ない」という認識は、大きな誤りです。

利息を設定しないとどうなるのか?

利息を設定しなければトラブルにならないと思う方もいるかもしれません。しかし、無利息には無利息なりのリスクがあります。

親族間などで無利息の貸し借りをした場合、利息相当額が「贈与」とみなされ、贈与税が発生するケースがあります。この点については、後のセクションで詳しく解説します。

個人間融資の利息を規制する法律とは?

個人間融資の利息には、主に2つの法律が関わっています。それぞれの役割と上限金利の違いを正確に把握しておきましょう。

利息制限法とは?上限金利はいくらか?

利息制限法は、お金の貸し借りにおける利息の上限を定めた法律です。個人・法人を問わず、また貸金業者かどうかに関係なく、すべての貸し借りに適用されます。

上限金利は借入額によって異なり、以下のように定められています。

借入元本 上限金利(年)
10万円未満 20.0%
10万円以上100万円未満 18.0%
100万円以上 15.0%

この上限を超えた部分の利息は民事上「無効」となります。つまり、借主は超過分の利息を返してもらう権利があります。ただし、利息制限法には刑事罰の規定がないという点が重要なポイントです。

出資法とは?109.5%という数字の意味とは?

出資法は、高金利での貸し付けに対して刑事罰を定めた法律です。個人間の貸し借りにおける上限金利は、年109.5%(日割り換算で1日0.3%)と定められています。

100万円を年109.5%で1年間貸した場合、利息だけで約109万5,000円になります。元本と合わせると約209万円を返済しなければなりません。この水準を超えると、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。

利息制限法と出資法の違いとは?どちらが優先されるのか?

2つの法律の最大の違いは「違反したときの結果」にあります。

  • 利息制限法違反:超過分の利息が民事上無効になる(刑事罰なし)
  • 出資法違反:刑事罰(懲役・罰金)の対象になる

どちらが優先されるというわけではなく、2つの法律が同時に適用されます。 利息制限法の上限を超えた時点で超過分は無効になり、さらに出資法の上限(109.5%)を超えると刑事罰の対象になる、という2段階の規制になっています。

個人間融資で設定できる上限金利はいくらか?

「法的に問題のない金利はいくらか」という疑問に、具体的な数字で答えます。

借入額ごとの上限金利一覧(10万円未満・10〜100万円・100万円以上)

前のセクションで触れた利息制限法の上限金利を、具体的な利息額で確認しましょう。

借入額 上限金利 30日間の利息(例)
5万円 年20.0% 約822円
50万円 年18.0% 約7,397円
150万円 年15.0% 約18,493円

利率が同じでも、借入額が大きいほど利息の負担は重くなります。 金額に応じた上限を守ることが大切です。

上限金利を超えた場合に何が起きるのか?

利息制限法の上限(15〜20%)を超えた利息を受け取った場合、借主は超過分の返還を請求できます。これが「過払い金」の概念です。

さらに出資法の上限(109.5%)を超えると、貸主は刑事処罰の対象になります。「個人間の貸し借りだから大丈夫」という考えは通用しません。

結局、個人間融資で安全な金利は何%なのか?

法的な安全圏を考えると、利息制限法の上限(借入額に応じて年15〜20%)以内に収めることが鉄則です。 これを超えると超過分が無効になり、さらに問題が複雑になります。

親族・友人間の貸し借りであれば、利息なし〜年3%程度(民法の法定利率水準)で設定しているケースが多いです。ただし、利息なしには贈与税リスクが伴う場合があるため、次のセクションで確認してください。

利息なしにした場合の贈与税リスクとは?

「利息は取らなくていい」と思って無利息で貸した場合、思わぬ課税リスクが生じることがあります。

無利息の貸し借りが「贈与」とみなされるケースとは?

親族間などで無利息の貸し借りをした場合、税務署から「利息分を贈与した」とみなされる可能性があります。利息相当額が経済的利益の移転にあたると判断されるためです。

ただし、利息相当額が少額(年間110万円の贈与税基礎控除内に収まる場合)は課税されないケースが多いです。 個人間の少額貸し借りであれば、実際に問題になることは多くありません。

民法改正後の法定利率3%はどう関係するのか?

2020年の民法改正により、当事者間で利率を決めなかった場合に適用される「法定利率」が年5%から年3%に引き下げられました。さらに3年ごとに見直される変動制になっています。

つまり、利率の取り決めなしに貸し借りをした場合、法定利率3%が適用されます。この3%を基準に利息相当額が計算され、贈与かどうかの判断材料になります。

贈与税がかかるケース・かからないケースの違いとは?

実際に返済の事実があり、返済条件(期日・金額・方法)を明確に定めている場合は、贈与とはみなされません。

一方、以下のようなケースでは贈与とみなされるリスクが高まります。

  • 返済期日を定めていない(「出世払いでいい」など)
  • 実際に返済が行われていない
  • 返済条件が書面に残っていない

「いつかは返す」というあいまいな約束は、税務署に通じません。 返済計画を明確にすることが、贈与とみなされないための基本です。

利息ありにした場合に貸主が払う税金とは?

お金を貸して利息を受け取った場合、貸主側にも税務上の義務が生じます。

受け取った利息は雑所得として課税される理由とは?

個人が貸し付けによって得た利息は、所得税法上の「雑所得」に分類されます。給与所得や事業所得とは別に申告が必要です。

利息を受け取ること自体は問題ありませんが、受け取った側に所得税がかかる点は見落とされがちです。 貸した相手に「利息を取るのが申し訳ない」と感じる方でも、税務上の義務は知っておく必要があります。

利息が年20万円以下の場合はどうなるのか?

給与収入のみがある方の場合、雑所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告は不要です。ただし、住民税については申告が必要になる場合があります。

友人・知人への少額の貸し付けで受け取る利息が20万円を超えることはまれですが、複数人に貸している場合や高額の貸し付けの場合は要注意です。

確定申告が必要になる目安はいくらか?

貸付金額と金利を使った計算例を示します。

貸付額 金利 年間利息 申告の目安
100万円 年5% 5万円 不要(20万円以下)
500万円 年5% 25万円 要申告
1,000万円 年3% 30万円 要申告

金利を低く設定していても、貸付額が大きければ申告が必要になることがあります。事前にシミュレーションしておきましょう。

遅延損害金の上限とは?延滞した場合のリスクとは?

返済が遅れた場合に発生する「遅延損害金」にも、法律上の上限があります。通常の利息とは別の計算になるため、混同しないよう注意が必要です。

遅延損害金の上限金利29.2%の根拠とは?

利息制限法第4条では、遅延損害金の上限を「貸付金利の1.46倍」と定めています。たとえば貸付金利が年20%の場合、遅延損害金の上限は年29.2%(20% × 1.46)になります。

利息の上限が20%でも、延滞すると29.2%まで請求されるケースがあります。 返済が遅れるとペナルティが大きくなることを、借主は十分に理解しておく必要があります。

遅延損害金と通常の利息はどう違うのか?

通常の利息は、お金を借りている期間に対して発生するものです。一方、遅延損害金は返済期日を過ぎた後の損害賠償として発生します。

性質が異なるため、計算のタイミングが違います。返済期日までは通常利息、期日を過ぎた日以降は遅延損害金が適用されるのが一般的です。

返済が遅れた場合に借主が受けるリスクとは?

返済が滞ると、通常の利息より高い遅延損害金が積み上がっていきます。長期延滞になるほど返済総額が膨らむため、早めの対応が重要です。

個人間融資ではブラックリスト(信用情報機関への登録)はありません。しかし、貸主との人間関係の破綻や、民事訴訟に発展するリスクがあります。「信用情報に載らないから大丈夫」という考え方は危険です。

SNS・掲示板の個人間融資が危険な理由とは?

SNSや掲示板での「お金貸します」という書き込みは、一見親切に見えます。しかし、その実態は法律的に大きな問題をはらんでいます。

「お金貸します」の書き込みが違法になる理由とは?

個人が不特定多数に向けて反復・継続的にお金を貸す行為は「貸金業」に該当します。貸金業を行うには国への登録が必要で、無登録のまま行うと貸金業法違反になります。

SNSで「誰でも融資します」と投稿しているアカウントは、その時点で違法業者の可能性が高いです。金融庁も公式に注意喚起を出しています。

反復継続的な貸し付けが貸金業法違反になる仕組みとは?

「反復継続的」とは、実際に何度も貸し付けを行うだけでなく、その意思がある場合も含まれます。1回だけ貸したとしても、そのような意思が認められれば貸金業法の適用対象になりえます。

友人への一時的な貸し借りは通常問題になりません。しかし、SNSで不特定多数に向けて勧誘している場合は、明らかに反復継続の意思があるとみなされます。

闇金と個人間融資の見分け方とは?

正規の貸金業者かどうかを確認するには、金融庁の「登録貸金業者情報提供サービス」で業者名や登録番号を照合するのが確実です。

以下のような特徴がある場合は、闇金や違法業者である可能性が高いため注意してください。

  • 「ブラックOK」「審査なし」「即日高額融資」を謳っている
  • 登録番号が確認できない
  • 個人情報を最初から要求してくる
  • SNSのDMや掲示板の返信から始まる

借りる側が知っておくべき法律リスクとは?

違法な個人間融資に巻き込まれた場合、借りる側にもリスクがあります。「騙された側だから問題ない」とは言い切れない部分があります。

法外な利息を請求された場合に取れる対処法とは?

利息制限法の上限を超えた利息を請求された場合、超過分の返還を求めることができます。すでに支払ってしまった分についても、過払い金として返還請求が可能です。

「払ってしまったからもう取り戻せない」と諦める必要はありません。 弁護士や司法書士に相談することで、法的な手続きを通じて解決できるケースがあります。

個人情報を要求された場合の危険性とは?

個人間融資では、貸主側が本人確認のため運転免許証や保険証のコピーを求めることがあります。これ自体は不自然ではありませんが、渡した個人情報が目的外に使用される可能性があります。

返済が滞った場合に勤務先へ連絡されたり、インターネット上に情報を公開されたりするといった違法な取り立てに使われるリスクがあります。悪質な業者に情報が渡れば、詐欺や犯罪に利用されることもあります。

違法業者からお金を借りた場合に借主が受けるリスクとは?

違法業者から借り入れると、法外な利息請求・脅迫まがいの取り立て・個人情報の悪用といったリスクが連鎖的に生じます。

また、知らずに犯罪行為(名義貸しや口座提供)に加担させられるケースもあります。「後ろめたさから相談できない」という状況に追い込まれること自体が、悪質業者の手口です。困った場合は、消費者ホットライン(188)や法テラスに相談することをおすすめします。

貸す側が守るべきルールとは?

善意で友人や知人にお金を貸す場合でも、貸主側には守るべきルールがあります。

無登録で繰り返し融資すると貸金業法違反になる理由とは?

前述の通り、反復・継続的にお金を貸す行為は貸金業とみなされます。家族や親しい友人に複数回貸した場合でも、継続性が認められると問題になるケースがあります。

一時的な貸し借りであれば通常問題になりません。しかし、複数人に繰り返し貸すことが習慣化している場合は、法律違反に問われるリスクがあります。

取り立て行為に制限がある理由とは?

貸金業法では、午後9時〜翌午前8時の連絡・訪問、職場への連絡、張り紙などの行為を禁止しています。ただし、これは貸金業者への規制です。

個人間融資では貸金業法の取り立て規制は直接適用されません。しかし、脅迫や強要、不退去などの行為は刑法に触れます。「自分のお金を返してもらうだけ」という理由で、違法な取り立てが正当化されるわけではありません。

債権を第三者に売却する場合の注意点とは?

個人間の貸し付けで返済が滞った場合、債権(回収する権利)を第三者に売却することは法律上可能です。ただし、売却先が反社会的組織や違法業者の場合、借主が違法な取り立てを受けることになります。

債権の譲渡は、相手方の選定も含めて慎重に行う必要があります。 安易に債権を売ると、自分自身が違法行為に加担した形になるリスクがあります。

個人間融資でトラブルを防ぐ借用書の書き方とは?

口約束でお金を貸すと、後になって「言った・言わない」のトラブルになりがちです。借用書を作成することで、双方の認識を一致させられます。

借用書と金銭消費貸借契約書の違いとは?

借用書は借主が作成し、貸主が保管する書類です。金銭消費貸借契約書は、貸主・借主の双方が署名・捺印して1通ずつ保管します。

法的効力の観点では、金銭消費貸借契約書のほうが証拠力が高いです。 「万が一のときに備える」という点では、双方が署名した契約書の作成をおすすめします。

借用書に必ず記載すべき9つの項目とは?

以下の項目をすべて明記することで、後のトラブルを防げます。

  1. 契約書の作成日付(年・月・日を必ず記入)
  2. 借主の氏名・住所・押印
  3. 貸主の氏名・住所・押印
  4. 借入する金額
  5. お金を渡した日付
  6. 返済方法・返済期日(一括か分割かを明記)
  7. 利息(金利・計算方法)
  8. 遅延損害金(利率・発生条件)
  9. 期限の利益の喪失条項(一定条件で全額一括返済を求める旨)

特に返済期日と利息の記載は、税務トラブルと人間関係トラブルの両方を防ぐうえで欠かせません。

口約束だけでお金を貸した場合にどうなるのか?

口約束でも貸し借りの契約は成立します。法的に無効なわけではありません。しかし、「貸した」「借りていない」という争いになった場合、書面がなければ証明が困難になります。

返済を請求するには、まず貸したという事実を証明しなければなりません。振込記録や通帳のコピーは証拠になりますが、金額や条件の証明までは難しい場合があります。「信頼できる相手だから大丈夫」という思い込みが、後のトラブルの原因になりやすいです。

親族間の貸し借りで特に注意すべきポイントとは?

親子・夫婦など、身内間のお金の貸し借りは特に管理が甘くなりがちです。しかし、税務署の目線では「客観的な証拠があるかどうか」が重要になります。

親子・夫婦間の無利息貸し借りが贈与とみなされるケースとは?

国税庁の見解によると、親族間の金銭貸借であっても、返済能力や返済状況から「真に金銭の貸借」と認められれば借入金自体は贈与にはなりません。

ただし、無利息の場合、利息相当額が贈与として扱われることがあります。 利息相当額が少額で「課税上弊害がない」と認められれば課税されないケースがほとんどですが、高額の貸し付けでは注意が必要です。

「出世払い」「あるとき払い」が危険な理由とは?

国税庁は「あるとき払いの催促なし」「出世払い」のような貸借は、借入金そのものが贈与として扱われると明示しています。

返す意思があっても、返済の期日や条件が定まっていなければ「実質的に贈与」とみなされます。親しい間柄だからこそ、返済条件はあいまいにせず、書面に明記することが重要です。

返済を証明するために残すべき記録とは?

返済を証明するためには、現金手渡しではなく銀行振込で行うことが効果的です。通帳の履歴が証拠になります。

残しておくと有効な記録は以下の通りです。

  • 金銭消費貸借契約書または借用書
  • 振込の通帳記録・明細
  • 利息の受け渡し記録
  • メッセージや手紙などの返済合意の記録

個人間融資の代わりに使える正規の借入方法とは?

お金が必要な状況でも、SNSや掲示板の個人間融資に頼るのは避けるべきです。正規の方法には、審査があっても安全に利用できる選択肢が複数あります。

消費者金融・カードローンとの安全性の違いとは?

消費者金融や銀行のカードローンは、貸金業法・利息制限法に基づいて運営されています。上限金利が守られ、取り立て行為にも法的な制限があります。

審査があることは、借りる側にとっても「返済できる範囲での借入」を担保する仕組みです。 「審査なし」を謳う業者より、むしろ審査がある正規業者のほうが安全です。

審査に不安がある場合に利用できる公的制度とは?

民間金融機関の審査に通らない場合でも、公的な制度を利用できることがあります。

  • 生活福祉資金貸付制度:都道府県の社会福祉協議会が窓口。低所得世帯向け。
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金:ひとり親家庭向け。
  • 求職者支援資金融資:ハローワークの求職者向け。

いずれも無利子または低利での貸し付けが受けられます。利用条件は各制度で異なるため、まず住んでいる自治体の窓口に相談してみてください。

正規の貸金業者を見分けるために確認すべき点とは?

正規の貸金業者かどうかは、以下の方法で確認できます。

  • 金融庁の「登録貸金業者情報提供サービス」で登録番号を照合
  • 都道府県知事または財務局長の登録番号が明示されているか確認
  • 金利が法定上限(年15〜20%)の範囲内かどうかを確認

「登録している」と口頭で言うだけの業者は信用できません。必ず公式データベースで番号を確認することが大切です。

FAQ

個人間融資で利息を取らなければ違法にならないのか?

利息を取らないこと自体は違法ではありません。ただし、親族間などで高額な無利息の貸し借りをした場合、利息相当額が贈与とみなされ、贈与税が発生するリスクがあります。また、返済条件があいまいだと、元本ごと贈与とみなされるケースもあります。

友人への貸し付けで年20%を超える利息を設定した場合どうなるのか?

利息制限法の上限(借入額に応じて年15〜20%)を超えた部分は民事上「無効」になります。借主は超過分を裁判で取り戻すことができます。さらに出資法の上限(年109.5%)を超えると、刑事罰の対象になる可能性があります。

利息の計算はどのように行えばよいのか?

基本的な利息計算の式は以下の通りです。

利息 = 元本 × 金利(年率) ÷ 365 × 借入日数

例えば、50万円を年18%で30日間貸した場合は「50万円 × 0.18 ÷ 365 × 30 ≒ 7,397円」になります。期間が長くなるほど利息は積み上がるため、返済期間は具体的に決めておくことが重要です。

既に高金利の利息を支払ってしまった場合、取り戻せるのか?

利息制限法の上限を超えて支払った利息は、「過払い金」として返還請求できます。時効は原則として利息を支払った時点から10年です(権利を知った時から5年の場合もあります)。弁護士や司法書士に相談することで、請求手続きを進められます。

SNSで見かけた「ブラックOK・即日融資」の個人間融資は利用してよいのか?

利用してはいけません。金融庁も公式に注意喚起しているように、SNSでこのような勧誘をしている相手の多くは、登録のない違法業者か闇金業者です。法外な利息の請求、違法な取り立て、個人情報の悪用といったトラブルに巻き込まれるリスクが非常に高いです。

まとめ

個人間融資の利息には、利息制限法(年15〜20%)と出資法(年109.5%)という2段階の上限があります。超過分は無効になるか刑事罰の対象になるため、金利の設定は慎重に行う必要があります。

一方、「利息なし」にすれば安全かというと、そうでもありません。親族間の無利息の貸し借りは、条件次第で贈与とみなされることがあります。特に「出世払い」のようなあいまいな約束は、元本ごと贈与と判定されるリスクがあります。個人間の貸し借りでトラブルを防ぐには、利率・返済期日・返済方法を書面に明記し、銀行振込で記録を残すことが現実的な対策です。困ったときは弁護士・司法書士・消費者ホットライン(188)に相談してください。

参考文献

  • 「上限金利について【貸金業界の状況】」- 日本貸金業協会
  • 「貸金業法のキホン」- 金融庁
  • 「No.4420 親から金銭を借りた場合」- 国税庁
  • 「利息制限法とは?弁護士がわかりやすく解説」- デイライト法律事務所
  • 「個人間融資は違法?個人間融資の危険性や安全にお金を借りる方法を解説」- LOAN myac(アコム)
  • 「個人間の貸付では利息はいくらが適当?貸付を受ける時の注意点も解説」- 大阪司法書士事務所
  • 「個人間融資の金利の上限は年利109.5%!借金の利息の上限を知ろう」- 株式会社アルビノ
  • 「みなし贈与とは?個人間のやり取りで該当するケースや対策を解説」- 辻・本郷 税理士法人(VSグループ)
  • 「親から借金した際に贈与と疑われないための7つの対策」- OAG税理士法人