親にお金がないと言われるのはなぜ?本音の理由と今できる対処法

親にお金がないと言われるのはなぜ?本音の理由と今できる対処法 お金のコラム

親にお金がないと言われると、欲しいものを口にするだけで悪いことをした気分になりますよね。進学や部活の話になるたびに胸がざわつく人もいるはずです。でも、その言葉の裏側にはいくつかのパターンがあります。本当に家計が苦しいとは限りません。

この記事では、親にお金がないと言われる理由の見分け方から、学費が心配なときに使える制度、親との話し合い方までを順番に整理します。読み終えるころには、自分を責める必要はないと分かるはずです。

  1. 親に「お金がない」と言われるのはなぜ?考えられる理由とは
    1. 本当に家計が苦しいケース
    2. 金銭感覚を教えるしつけ・教育のつもりで言っているケース
    3. 深い意味のない口ぐせになっているケース
  2. 親の「お金がない」は本当?家計の実態を確かめる方法とは
    1. 責めずに家計の状況を聞く質問例
    2. 世帯収入と教育費の平均データから推測する
    3. 直接聞きにくいときのサインの見分け方
  3. 「お金がない」と言われ続けるとどうなる?子どもへの影響とは
    1. 罪悪感や遠慮グセが染みつく
    2. お金への不安・執着が強くなる
    3. 嘘だったと分かったとき親への不信感につながる
  4. 学費や進学費用がないと言われたらどうする?
    1. 高等教育の修学支援新制度(授業料減免+給付型奨学金)を確認する
    2. JASSOの貸与型奨学金を検討する
    3. 国の教育ローン・自治体の貸付制度を調べる
  5. 多子世帯の大学授業料無償化とは?対象になる条件
    1. 扶養する子どもが3人以上という要件の意味
    2. 支援される金額と対象になる学校
    3. 予約採用・在学採用の申し込み方法と注意点
  6. 部活や欲しいものは我慢するしかない?お金がない家庭での考え方
    1. 諦める前に優先順位を整理する
    2. アルバイトや就学援助など自分で補う手段
    3. 我慢しすぎて心をすり減らさない線引き
  7. 親とお金の話をするには?気まずくならない伝え方とは
    1. 感情的にならないための事前準備
    2. 具体的な金額と目的を示す
    3. 先生やスクールカウンセラーなど第三者を交える
  8. 「お金がない」が口ぐせの親に振り回されないためには?
    1. 言葉をそのまま受け取りすぎない考え方
    2. 親の家計と自分の将来を切り分ける
    3. 経済的自立に向けて今からできる準備
  9. 社会人になって親にお金がないと言われたら?援助の考え方とは
    1. 子どもの扶養義務はどこまで求められるのか
    2. 生活保護など公的制度の利用を先に検討してもらう
    3. 援助する場合の金額の線引きと共倒れを防ぐ注意点
  10. 一人で抱え込まないためには?相談できる窓口とは
    1. 学校の先生・スクールソーシャルワーカー
    2. 自治体の生活困窮者自立支援窓口
    3. 電話・SNSで匿名相談できる窓口
  11. よくある質問(FAQ)
    1. 親にお金がないと言われるのは、うちだけですか?
    2. お金がないと言われたら進学は諦めるしかないのでしょうか?
    3. 親の「お金がない」が嘘だったと分かったらどうすればいいですか?
    4. 奨学金は成績が良くないと借りられませんか?
    5. 老後資金がない親のお金を、子どもが必ず負担する義務はありますか?
  12. まとめ
    1. 参考文献

親に「お金がない」と言われるのはなぜ?考えられる理由とは

まず知っておきたいのは、この言葉が1つの意味だけで使われていない点です。家計の悲鳴のこともあれば、教育のつもりのこともあります。ただの口ぐせという場合も少なくありません。3つのパターンに分けて見ていきます。

本当に家計が苦しいケース

収入の減少や物価の上昇で、家計に余裕がない家庭は実際にあります。住宅ローンやきょうだいの教育費が重なる時期は、特に出費がかさみます。この場合の「お金がない」は、文字どおりのSOSです。

見分けるヒントは、言葉以外の変化にあります。外食が減った、親が副業を始めた、光熱費に細かくなった。こうしたサインが重なるなら、家計が本当に苦しい可能性が高いと考えられます。

金銭感覚を教えるしつけ・教育のつもりで言っているケース

「お金がない」は、おねだりを断る便利な言葉として使われることがあります。理由を説明するより早いからです。親としては金銭感覚を教えるしつけのつもりで、深刻な意味を込めていない場合も多いのです。

実際には貯金があるのに「ない」と言う家庭も珍しくありません。あとで事実を知った子どもが、だまされた気持ちになる例もあります。しつけとしては伝わり方に問題のある言い方だといえます。

深い意味のない口ぐせになっているケース

親自身が「お金がない」と言われて育つと、その言葉を無意識に繰り返すことがあります。本人に自覚はありません。あいさつのように口から出ているだけの状態です。

このケースでは、家計の実態と言葉が一致していません。買い物は普通にしているのに、何かを頼むと「お金がない」と返ってくる。そんなちぐはぐさを感じたら、口ぐせの可能性を疑ってみる価値があります。

親の「お金がない」は本当?家計の実態を確かめる方法とは

言葉の意味を見極めるには、家計の実態を知るのが近道です。とはいえ、正面から収入を聞くのは気まずいですよね。責めずに確かめる方法を3つ紹介します。聞き方を工夫すれば、親も話しやすくなります。

責めずに家計の状況を聞く質問例

いきなり「年収いくら?」と聞くと、親は身構えます。おすすめは、自分の進路や将来と絡めて聞く方法です。目的があれば、親も答える理由ができます。

たとえば次のような聞き方があります。

・進路を考えたいから、学費にどれくらい出せそうか教えてほしい
・奨学金を調べてるんだけど、うちは対象になりそう?
・お金の心配をよく聞くけど、私にできることはある?

ポイントは「知りたい」ではなく「一緒に考えたい」という姿勢です。質問が協力の申し出に変わると、親の警戒はゆるみます。

世帯収入と教育費の平均データから推測する

直接聞けないときは、平均データがものさしになります。学費の目安を知れば、親の負担の大きさを想像できるからです。大学の費用はおおよそ次のとおりです。

進学先 入学金の目安 授業料の目安(年間)
国公立大学 約28万円 約54万円
私立大学(文系) 約22〜25万円 約80〜100万円
私立大学(理系) 約25万円 約110〜150万円

これに教材費や通学費が加わります。ひとり暮らしなら仕送りも必要です。4年間の総額は数百万円規模になります。この金額を見ると、「お金がない」が大げさとは言い切れないと分かります。

直接聞きにくいときのサインの見分け方

会話が難しい家庭もあります。その場合は、生活の変化を観察してみてください。事実の積み重ねが、言葉より正直だからです。

チェックしたいサインは次のとおりです。

  • 公共料金や家賃の督促状が届いている
  • 親が急に仕事を増やした、または失った
  • 食費や日用品のグレードが下がった
  • きょうだいの習い事をやめさせた

複数当てはまるなら、家計は本当に厳しい状態かもしれません。逆にどれも当てはまらなければ、口ぐせやしつけの可能性が高まります。

「お金がない」と言われ続けるとどうなる?子どもへの影響とは

この言葉を浴び続けると、心にじわじわと影響が出ます。影響を知ることは、自分の状態を客観視する助けになります。もし当てはまっても大丈夫です。気づいた時点から、考え方は変えていけます。

罪悪感や遠慮グセが染みつく

「お金がない」と言われ続けた子どもは、何かを欲しがること自体に罪悪感を持ちやすくなります。頼む前にあきらめるのが癖になるのです。進路の希望すら言い出せなくなる人もいます。

この遠慮グセは大人になっても残ります。必要な自己投資をためらったり、人に頼れなかったり。欲しいと言うことは悪ではありません。まずそこを切り分けて考えてみてください。

お金への不安・執着が強くなる

幼いころからお金の不安に触れると、お金への執着が育ちやすいと指摘されています。使うたびに罪悪感を覚える節約型になる人もいます。反動で浪費に走る人もいます。方向は逆でも、根っこは同じ不安です。

お金は不安の対象ではなく、目的をかなえる道具です。この視点を持てると、執着は少しずつゆるみます。金銭感覚は後からでも学び直せます。

嘘だったと分かったとき親への不信感につながる

「お金がない」が実は嘘だったと知る瞬間は、想像以上にこたえます。ずっとだまされていたと感じるからです。進路をあきらめた後に事実を知れば、なおさらです。

ただ、親に悪意があったとは限りません。断る言い訳として深く考えずに使っていただけ、という場合が大半です。不信感を抱いた自分を責める必要はありません。事実を確かめ、これからの関わり方を考えれば十分です。

学費や進学費用がないと言われたらどうする?

進学の場面で「お金がない」と言われても、道が閉ざされるわけではありません。国の支援制度は、親の収入が少ない家庭ほど手厚く設計されています。2026年度時点で使える主な選択肢を3つ見ていきます。

高等教育の修学支援新制度(授業料減免+給付型奨学金)を確認する

最初に確認したいのが、国の高等教育の修学支援新制度です。授業料・入学金の減免と、返さなくてよい給付型奨学金がセットになっています。世帯収入に応じて支援額が決まる仕組みです。

住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯が主な対象です。成績だけで切られる制度ではなく、学ぶ意欲も評価されます。返済不要の支援から先に調べるのが鉄則です。対象校や条件は文部科学省のサイトで確認できます。

JASSOの貸与型奨学金を検討する

給付型だけで足りない場合は、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金を検討します。無利子の第一種と、有利子の第二種があります。多くの大学生が利用している、いちばん一般的な方法です。

ただし貸与型は借金です。卒業後に自分で返します。月々いくら借りて、卒業後にいくら返すのかを必ず試算してください。JASSOのサイトにシミュレーターがあります。借りすぎなければ、進学を実現する心強い手段になります。

国の教育ローン・自治体の貸付制度を調べる

入学金の納付が先に来て間に合わない。そんなときは日本政策金融公庫の教育一般貸付、いわゆる国の教育ローンが選択肢です。固定金利で、子ども1人あたり最大350万円まで借りられます。自宅外通学などの条件を満たすと上限が広がります。

ひとり親家庭なら、母子父子寡婦福祉資金貸付金も使えます。無利子または低金利の公的貸付です。民間のカードローンに頼る前に、公的制度を出し尽くす。この順番だけは守ってください。

多子世帯の大学授業料無償化とは?対象になる条件

2025年度から、子どもが3人以上いる世帯を対象にした授業料等の無償化が始まりました。2026年度も継続しています。所得制限がない点が大きな特徴です。「うちは収入的に無理」とあきらめていた家庭こそ確認する価値があります。

扶養する子どもが3人以上という要件の意味

対象は、親が扶養する子どもが3人以上いる世帯です。子どもの年齢は問われません。大学生、高校生、小学生の3人きょうだいでも対象になります。

注意点は「扶養」のカウントです。第一子が就職して扶養から外れると、扶養する子どもが2人になり、対象から外れます。きょうだいの就職で支援が止まる可能性は、事前に頭に入れておきましょう。

支援される金額と対象になる学校

支援内容は、授業料と入学金の減免です。国公立・私立で上限額は異なります。大学のほか、短期大学、高等専門学校、専門学校も対象です。

対象になるのは、国の要件を満たした認定校に限られます。ほとんどの大学・短大は認定済みですが、一部対象外の学校もあります。志望校が対象校かどうかを文部科学省のリストで先に確認してください。なお、多子世帯の所得制限なし枠は授業料等の減免が中心で、給付型奨学金まで受けるには別途所得の要件があります。

予約採用・在学採用の申し込み方法と注意点

申し込みには2つのルートがあります。高校3年生のうちに申し込む予約採用と、進学後に大学の窓口から申し込む在学採用です。2026年度からは多子世帯の無償化も予約採用で申請できるようになりました。

手続きはJASSOのスカラネットから行います。高校在学中なら、まず担任か奨学金担当の先生に相談するのが確実です。申請しなければ1円も減免されません。締め切りは学校ごとに早めに設定されるため、高3の春には動き出してください。

部活や欲しいものは我慢するしかない?お金がない家庭での考え方

日常の出費でも「お金がない」は飛んできます。部活の遠征費、参考書、友達との外出。全部あきらめる必要はありません。優先順位のつけ方と、自分で補う手段を知っておくと、選択肢が増えます。

諦める前に優先順位を整理する

まず、欲しいものを「将来につながるもの」と「今楽しみたいもの」に分けてみてください。参考書や検定料は前者です。ゲームや服は後者にあたります。どちらも大切ですが、親に頼むなら前者から交渉するほうが通りやすくなります。

分類すると、本当に譲れないものが見えてきます。全部は無理でも、1番は守る。この考え方なら、我慢一色にはなりません。

アルバイトや就学援助など自分で補う手段

高校生なら、学校の規則の範囲でアルバイトという手があります。長期休みだけ働く方法なら、勉強との両立もしやすくなります。自分で稼いだお金は、使い道に口を出されにくいのも利点です。

公的な支援もあります。低所得世帯の高校生には、返済不要の高校生等奨学給付金があります。教材費や通学費に使える制度です。部活の費用を補助する自治体もあります。学校の事務室に聞くと、意外な制度が見つかることがあります。

我慢しすぎて心をすり減らさない線引き

節約は大事ですが、我慢のしすぎは危険です。友達との関係まで断つと、孤立感が積み重なります。心の健康は、お金と同じくらい守るべき資産です。

線引きの目安は「月に1つは自分のための出費を残す」ことです。金額は小さくて構いません。ゼロにしない工夫が、長い我慢を続けるコツです。すり減っていると感じたら、後述の相談窓口も頼ってください。

親とお金の話をするには?気まずくならない伝え方とは

お金の話は、家族でもいちばん切り出しにくい話題です。でも避け続けると、進路の選択肢がどんどん狭まります。気まずさを減らす準備と伝え方を、3つのステップで紹介します。

感情的にならないための事前準備

思いつきで切り出すと、感情がぶつかりやすくなります。「なんで貯金してくれなかったの」という責め口調は、親を防御モードにさせるだけです。話し合いが進まなくなります。

準備としては、伝えたいことを紙に書き出しておくのが有効です。目的、金額、自分にできることの3点です。責めるのではなく相談する。このスタンスを先に決めておくと、当日の空気が変わります。

具体的な金額と目的を示す

「大学に行きたい」だけでは、親は費用の全体像をつかめません。漠然とした不安が「お金がない」という拒否につながります。数字と目的をセットで示しましょう。

たとえばこんな伝え方です。

この大学で〇〇を学びたい。
初年度に必要なのは約130万円。
修学支援新制度が使えれば授業料の減免がある。
足りない分は奨学金とバイトで月3万円を自分で用意する。

ここまで具体的だと、親は「本気だ」と受け取ります。数字は感情のぶつかり合いを防ぐ共通言語になります。

先生やスクールカウンセラーなど第三者を交える

親子だけで話すと、過去の感情が混ざりがちです。そんなときは第三者を入れてください。担任の先生や進路指導の先生は、奨学金の手続きに慣れています。三者面談の場で学費の話を出すのも1つの方法です。

第三者がいると、親も冷静に聞きやすくなります。制度の説明を先生がしてくれれば、説得力も増します。1人で親を説得しようとしない。これが話し合いを成功させる隠れたコツです。

「お金がない」が口ぐせの親に振り回されないためには?

家計に問題がないのに「お金がない」を繰り返す親もいます。この場合、変えるべきは親ではなく、自分の受け取り方です。振り回されないための考え方を3つ紹介します。

言葉をそのまま受け取りすぎない考え方

口ぐせタイプの「お金がない」は、翻訳が必要な言葉です。本当の意味は「今は買いたくない」「面倒くさい」だったりします。言葉と事実を分けて聞く練習をしてみてください。

受け流す技術も有効です。言われるたびに落ち込むのではなく、「また口ぐせが出たな」と心の中でラベルを貼る。親の言葉の癖と、家の経済状況は別物。この区別ができると、心の消耗が減ります。

親の家計と自分の将来を切り分ける

親の不安を、自分の将来設計にまで持ち込む必要はありません。「うちは貧乏だから進学は無理」という思い込みは、親の口ぐせが作った幻かもしれません。制度を調べれば道はあります。

自分の人生の予算は、自分で組み立てられます。進路は親の言葉ではなく、制度と数字で判断する。この軸を持つと、口ぐせに揺さぶられなくなります。

経済的自立に向けて今からできる準備

根本的な解決策は、経済的な自立です。自分のお金があれば、親の「お金がない」に生活を左右されなくなります。自立は一気には無理でも、準備は今日から始められます。

具体的には、バイト代の一部を先取りで貯金する。奨学金や支援制度の知識を集める。お金の基礎を本で学ぶ。小さな行動の積み重ねが効きます。知識と貯金は、親に頼らない自由への切符です。

社会人になって親にお金がないと言われたら?援助の考え方とは

大人になってから、親に「お金がない」と援助を求められるケースもあります。放っておけない気持ちと、自分の生活のはざまで悩みますよね。義務の範囲と、共倒れしないための考え方を整理します。

子どもの扶養義務はどこまで求められるのか

民法上、子どもには親に対する扶養義務があります。ただしその中身は、自分の生活を犠牲にしてまで支える義務ではありません。自分と家族の生活を維持したうえで、余力の範囲で助ければよいとされています。

つまり「親のためにローンを組む」「生活費を削って仕送りする」までは求められていません。余力がなければ援助しなくても法的に問題はない。この前提を知るだけで、罪悪感はかなり軽くなります。

生活保護など公的制度の利用を先に検討してもらう

親の生活が立ち行かないレベルなら、個人の仕送りより公的制度が先です。年金だけで足りなければ、生活保護の申請を検討できます。家族の援助は生活保護の要件ではなく、優先的に考慮されるものという位置づけです。

ほかにも使える制度があります。

状況 検討できる制度・窓口
収入が最低生活費を下回る 生活保護(福祉事務所)
家計の立て直しをしたい 生活困窮者自立支援制度の相談窓口
一時的にお金が足りない 社会福祉協議会の生活福祉資金貸付

子どもの仕送りは最後の手段と考えてください。まず窓口への相談を親にすすめるのが、長い目で見て親のためにもなります。

援助する場合の金額の線引きと共倒れを防ぐ注意点

それでも援助すると決めたなら、金額と期間を最初に区切ってください。「毎月3万円まで」「1年間だけ」といった線引きです。なし崩しの援助は、双方の生活を壊します。

注意したいのは、自分の老後資金や子どもの教育費を削る援助です。それは共倒れの入り口です。援助は余剰から、生活費と将来資金には手をつけない。この原則を守れないなら、援助額を見直すサインだと考えてください。

一人で抱え込まないためには?相談できる窓口とは

家のお金の悩みは、友達にも話しづらいものです。だからこそ、相談の専門窓口を知っておいてください。話すだけでも状況は整理されます。無料で使える窓口を3つ紹介します。

学校の先生・スクールソーシャルワーカー

進学とお金の悩みなら、まず学校が頼れます。担任や進路指導の先生は、奨学金の申請時期や書類に詳しい存在です。毎年多くの生徒を見ているので、相談されること自体に慣れています。

学校によっては、スクールソーシャルワーカーが配置されています。家庭の経済問題と福祉制度をつなぐ専門職です。家庭の事情を福祉の視点で一緒に考えてくれるため、家計が深刻な場合ほど力になります。職員室で「話を聞いてほしい」と伝えるだけで十分です。

自治体の生活困窮者自立支援窓口

家計そのものが厳しい家庭には、生活困窮者自立支援制度があります。全国の自治体に相談窓口があり、無料で使えます。家計改善の支援や、住まい・仕事の相談まで幅広く対応しています。

本人だけでなく、家族からの相談も可能です。「親の家計が心配」という立場でも話を聞いてもらえます。お金の悩みは公的窓口に話してよい悩みです。市区町村のサイトで「生活困窮 相談」と検索すると窓口が見つかります。

電話・SNSで匿名相談できる窓口

対面が苦手なら、匿名で使える窓口があります。子ども向けにはチャイルドライン、24時間対応のこどものSOS相談窓口などがあります。SNSで相談できる窓口も増えました。

名前を言う必要はありません。うまく話せなくても大丈夫です。気持ちを言葉にするだけで、頭の中が整理されていきます。抱え込みが限界になる前に、軽いうちに話す。それが匿名窓口のいちばん上手な使い方です。

よくある質問(FAQ)

親にお金がないと言われるのは、うちだけですか?

うちだけではありません。同じ悩みは相談サイトやQ&Aサイトに数多く投稿されています。教育費の負担は多くの家庭に共通する悩みで、「お金がない」はしつけや口ぐせとしても広く使われている言葉です。

つまり、この言葉を聞いて育つこと自体は珍しくありません。恥ずかしいことでもありません。悩んでいるのは自分1人ではないと知るだけでも、気持ちは軽くなるはずです。

お金がないと言われたら進学は諦めるしかないのでしょうか?

諦める必要はありません。高等教育の修学支援新制度を使えば、世帯収入に応じて授業料減免と給付型奨学金を受けられます。足りない分は貸与型奨学金や国の教育ローンで補えます。

親の全額負担が無理でも、制度を組み合わせれば進学は現実的な選択肢になります。まずは自分の家庭が対象になるか、JASSOのシミュレーターで確認してみてください。

親の「お金がない」が嘘だったと分かったらどうすればいいですか?

まず、ショックを受けた自分の気持ちを否定しないでください。裏切られたと感じるのは自然な反応です。そのうえで、親に悪意があったのか、断る口実だっただけなのかを冷静に見てみましょう。

多くの場合、親は深く考えずに使っています。可能なら「あの言葉で傷ついた」と伝えてみてください。伝えるのが難しければ、今後は言葉より事実で判断すると決めるだけでも十分です。

奨学金は成績が良くないと借りられませんか?

成績だけで決まるわけではありません。給付型奨学金の予約採用には評定の基準がありますが、基準に届かなくても、レポートや面談で学ぶ意欲を示せば認められる道があります。

貸与型の第二種奨学金は、学力基準がゆるやかに設定されています。成績に自信がなくても、まず学校の奨学金担当に相談してみてください。門前払いされる制度ではありません。

老後資金がない親のお金を、子どもが必ず負担する義務はありますか?

必ず負担する義務はありません。子どもの扶養義務は、自分の生活を維持したうえでの余力の範囲とされています。自分の家計を壊してまで支える法的義務はないのです。

親の生活が成り立たないほど困窮しているなら、生活保護など公的制度の利用が先です。まずは親の住む自治体の福祉窓口に相談することから始めてください。

まとめ

親の「お金がない」は、家計のSOS、しつけ、口ぐせの3つに分かれます。どれに当たるかで、取るべき行動は変わります。だからこそ、言葉に落ち込む前に事実を確かめる姿勢が役立ちます。

見落とされがちなのが、お金の会話そのものが持つ力です。家庭内でお金の話がタブーでなくなると、子どもの金銭感覚は実践の中で育つといわれます。家計簿を一緒に見る、1か月の食費をゲーム感覚で管理してみる。そんな小さな共同作業が、親子の溝を埋める入り口になります。

今日できる一歩は3つです。家計のサインを観察する。JASSOのシミュレーターで支援対象か調べる。話しづらければ学校か自治体の窓口に相談する。どれか1つ動けば、状況は止まったままになりません。

参考文献

  • 「高等教育の修学支援新制度」- 文部科学省
  • 「多子世帯支援について」- JASSO(日本学生支援機構)
  • 「奨学金」- JASSO(日本学生支援機構)
  • 「教育一般貸付(国の教育ローン)」- 日本政策金融公庫
  • 「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」- こども家庭庁
  • 「生活困窮者自立支援制度」- 厚生労働省
  • 「高校生等奨学給付金」- 文部科学省