個人間融資は貸金業法違反?違法になる条件と借りた側のリスクを解説

個人間融資は貸金業法違反?違法になる条件と借りた側のリスクを解説 個人間融資

SNSや掲示板で見かける「お金貸します」の書き込み。個人間融資なら法律とは無関係、と思っていませんか。実は、個人同士の貸し借りでも貸金業法や出資法に触れるケースがあります。

この記事では、個人間融資が貸金業法違反になる条件を一次情報にもとづいて整理します。合法と違法の境界線、金利の上限、借りた側の返済義務、被害に遭ったときの相談先まで順番に解説します。貸す側にも借りる側にも関わる話です。自分の状況と照らし合わせながら読み進めてください。

  1. 個人間融資とは?貸金業法との関係を最初に整理
    1. 個人間融資の意味と2つのパターン(知人間・SNS経由)
    2. 貸金業法とはどんな法律?目的と規制対象
    3. 家族や友人との貸し借りも規制される?
  2. 個人間融資が違法になる条件とは?結論と判断基準
    1. 合法と違法を分ける「業として貸す」の考え方
    2. 反復継続の意思とは?1回の貸付でも該当するケース
    3. 無登録での貸付が貸金業法違反になる理由
  3. SNSの「お金貸します」はなぜ貸金業法に触れる?
    1. 不特定多数への勧誘が禁止行為に当たる理由
    2. 個人を装ったヤミ金融業者が紛れ込む実態
    3. 金融庁が注意喚起している具体的な手口
  4. 個人間融資の金利はどこまで合法?出資法・利息制限法との違い
    1. 利息制限法の上限金利(年15〜20%)の仕組み
    2. 個人間に適用される出資法の上限(年109.5%)
    3. 月利表示・手数料名目に潜む高金利の落とし穴
  5. 貸金業法などに違反したらどうなる?罰則の重さ
    1. 無登録営業に科される刑事罰
    2. 出資法違反(高金利)の罰則
    3. 行政処分・氏名公表のリスク
  6. 借りた側は罪に問われる?返済義務はどうなる?
    1. 借り手が処罰対象になるかどうかの整理
    2. 上限金利を超えた利息の支払い義務
    3. 元本の返済義務が争われるケース
  7. 個人間融資を利用する危険性とは?法律以外のリスク
    1. 違法な取り立て・脅迫的な督促
    2. 個人情報の悪用・二次被害
    3. 「ひととき融資」など金銭以外の要求
  8. すでに個人間融資を利用してしまったときの対処法
    1. まず証拠(やり取り・振込記録)を残す
    2. 警察相談専用電話・消費者ホットラインの使い分け
    3. 弁護士・司法書士へ相談すべきケース
  9. 家族や知人にお金を貸すとき・借りるときの注意点
    1. 借用書・契約書を作成すべき理由と書き方の要点
    2. 利息を設定する場合のルール
    3. 返済が滞ったときの対応手順
  10. 個人間融資に頼らず安全にお金を借りる方法
    1. 国や自治体の公的貸付制度
    2. 登録貸金業者・銀行カードローンの確認方法
    3. 支払いの猶予・減免を先に相談する選択肢
  11. 貸金業法は今後どう変わる?改正の動向
    1. 約20年ぶりの本格改正が検討されている背景
    2. 個人向け規制はどう扱われる見通しか
    3. 最新情報を確認できる公的な情報源
  12. 個人間融資と貸金業法に関するよくある質問(FAQ)
    1. 1回だけ知人にお金を貸すのは違法ですか?
    2. 無利息なら個人間融資をしても問題ありませんか?
    3. SNSで借りる約束をしただけでも危険はありますか?
    4. 個人間融資の相手が取り立てに来たら警察は動きますか?
    5. 貸金業登録をしているか確認する方法はありますか?
  13. まとめ:個人間融資は貸金業法・出資法のラインを必ず確認
    1. 参考文献

個人間融資とは?貸金業法との関係を最初に整理

個人間融資という言葉には、性質の異なる2つの取引が含まれます。まずは言葉の意味と、貸金業法がどこまでを規制する法律なのかを押さえましょう。ここが曖昧なままだと、違法かどうかの判断ができません。

個人間融資の意味と2つのパターン(知人間・SNS経由)

個人間融資とは、銀行や消費者金融を介さずに個人同士でお金を貸し借りすることです。パターンは大きく2つに分かれます。1つは家族や友人など、顔の見える相手との貸し借りです。もう1つはSNSや掲示板で知り合った、素性の分からない相手との貸し借りです。

この2つは法律上の扱いがまったく違います。問題になるのは、SNSや掲示板を経由した見知らぬ相手との個人間融資です。金融庁も後者について繰り返し注意喚起を出しています。同じ「個人間融資」でも、リスクの大きさは別物と考えてください。

貸金業法とはどんな法律?目的と規制対象

貸金業法は、消費者金融など貸金業者の業務を規制する法律です。多重債務問題の解決と利用者の保護を目的として、2006年に大きく改正されました。完全施行は2010年6月です。

規制の柱は3つあります。登録制度上限金利の規制年収の3分の1を超える貸付を原則禁止する総量規制です。取り立て行為のルールもこの法律で定められています。つまり「貸す側」を縛る法律だと理解しておくと、この後の話が分かりやすくなります。

家族や友人との貸し借りも規制される?

結論から言うと、家族や友人との一時的な貸し借りは貸金業法の対象外です。貸金業法が規制するのは「業として」お金を貸す行為だからです。頼まれて1度お金を貸す程度なら、貸金業には当たりません。

ただし、対象外なのは貸金業法の登録義務です。金利の上限を定める出資法や利息制限法は、個人間の貸し借りにも適用されます。身内だから何をしてもよい、という話ではありません。この違いは後のセクションで詳しく説明します。

個人間融資が違法になる条件とは?結論と判断基準

個人がお金を貸す行為は、どこから違法になるのでしょうか。判断の軸はシンプルで、「業として貸しているかどうか」です。ここでは貸金業法上の考え方と、1回の貸付でも該当し得るケースを見ていきます。

合法と違法を分ける「業として貸す」の考え方

貸金業法では、業としてお金を貸す場合に登録が必要です。「業として」とは、営利の目的で貸付を繰り返す状態を指します。貸金業を営むには、国(財務局長)または都道府県知事の登録を受けなければなりません。

言い換えると、こうなります。個人であっても、繰り返し貸して利益を得ようとすれば貸金業に該当し、無登録なら貸金業法違反です。「会社じゃないからセーフ」という理屈は通用しません。法律は形式ではなく、実態で判断します。

反復継続の意思とは?1回の貸付でも該当するケース

ポイントは「反復継続の意思」です。実際に何度も貸したかどうかだけでは判断されません。これから繰り返し貸すつもりがあれば、その時点で貸金業に該当し得ます。

たとえば、SNSに「お金貸します」と書き込んで不特定多数を募る行為を考えてみてください。貸したのがまだ1回でも、書き込みの内容から反復継続の意思が読み取れます。回数の問題ではなく、姿勢の問題です。ここを誤解している人が少なくありません。

無登録での貸付が貸金業法違反になる理由

登録制度には理由があります。登録業者は上限金利や総量規制、取り立てルールを守る義務を負います。行政の監督も受けます。この仕組みが借り手を守っているわけです。

無登録の貸し手には、その縛りが一切ありません。だからこそ法律は無登録営業を重く罰します。無登録で貸金業を営むと、10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。貸金業法違反の中でも特に重い罰則です。

SNSの「お金貸します」はなぜ貸金業法に触れる?

X(旧Twitter)や掲示板には、個人名義の融資の書き込みがあふれています。一見すると親切な個人に見えるかもしれません。しかし金融庁は、この書き込み自体が貸金業法に抵触するおそれがあると明言しています。理由を見ていきましょう。

不特定多数への勧誘が禁止行為に当たる理由

貸金業法は、無登録の者が貸付契約の締結を勧誘することを禁止しています。不特定多数が閲覧できるSNSに「お金を貸します」「融資します」と書き込む行為は、この勧誘に該当するおそれがあります。

つまり、実際に貸す前の段階でアウトになり得るということです。無登録営業だけでなく、無登録業者による勧誘そのものが罰則の対象です。書き込みを見て「まだ借りていないから大丈夫」と考えるのではなく、相手がすでに違法行為をしている可能性を疑ってください。

個人を装ったヤミ金融業者が紛れ込む実態

SNSの個人間融資には、もう1つ深刻な問題があります。個人のふりをしたヤミ金融業者の存在です。プロフィールは普通の会社員や主婦に見えても、実態は無登録の貸金業者というケースが報告されています。

見分けるのはほぼ不可能です。「審査なし」「ブラックOK」「即日振込」といった言葉は、正規の業者では使えない誘い文句です。貸金業法は誤解を招く広告表示を禁止しているからです。甘い条件を掲げる相手ほど、法律を守る気がないと考えるのが妥当です。

金融庁が注意喚起している具体的な手口

金融庁はウェブサイトで、SNS等を利用した個人間融資への注意喚起を公開しています。違法な高金利での貸付に加えて、個人情報の悪用や更なる犯罪被害に巻き込まれる危険性を指摘しています。

類似の手口にも触れています。給与を買い取ると称して実質的な貸付を行う「給与ファクタリング」がその例です。形を変えても、実態が貸付であれば貸金業法の規制対象になります。名前が融資でなくても油断しないでください。

個人間融資の金利はどこまで合法?出資法・利息制限法との違い

お金の貸し借りには、金利を規制する2つの法律が関わります。利息制限法と出資法です。名前が似ていて混同しやすいので、役割の違いを表で整理します。個人間の貸し借りに特有の数字もここで確認しましょう。

利息制限法の上限金利(年15〜20%)の仕組み

利息制限法は、借入額に応じて金利の上限を定めています。個人間の貸し借りにも適用されます。上限は次のとおりです。

借入額 上限金利(年)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

この上限を超えた部分の利息は無効です。超過分について、借り手に支払い義務はありません。まずはこの数字を基準として覚えてください。

個人間に適用される出資法の上限(年109.5%)

出資法は、刑事罰の基準となる上限金利を定めた法律です。貸金業者の場合は年20%が上限です。一方、個人間の貸し借りでは年109.5%(うるう年は109.8%)が上限とされています。

個人間でも年109.5%を超える金利で貸し付ければ出資法違反となり、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金の対象です。処罰されるのは貸した側です。年109.5%はおおよそ1か月で1割の利息に相当します。「月1割なら普通かも」という感覚は危険だと分かるはずです。

月利表示・手数料名目に潜む高金利の落とし穴

個人間融資では、金利を年利で示さないケースが目立ちます。たとえば「10日で1割」という条件を考えてみましょう。数字だけ見ると小さく感じます。しかし年利に換算すると365%です。利息制限法の上限を大きく超えています。

手数料にも注意が必要です。利息とは別に手数料を取られた場合、その手数料も金利計算に含まれます。金利が上限の年20%ちょうどでも、手数料を上乗せされた時点で違法な高金利です。表示の形に惑わされず、必ず年利に直して確認してください。

貸金業法などに違反したらどうなる?罰則の重さ

個人間融資に関わる法律違反には、具体的にどんな罰則があるのでしょうか。数字で把握しておくと、SNSの貸し手がどれだけ危険な橋を渡っているかが見えてきます。主な罰則を整理します。

無登録営業に科される刑事罰

登録を受けずに貸金業を営んだ場合、10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、またはその両方が科され得ます。貸金業法の罰則の中でも最も重い部類です。

軽い気持ちの副業でも例外ではありません。SNSで継続的に貸し付けて利息を得ていれば、個人でも無登録営業と評価されるおそれがあります。「知らなかった」では済まされないのが刑事罰の怖さです。

出資法違反(高金利)の罰則

出資法の上限金利を超えた貸付には、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金が科され得ます。両方が併科されることもあります。個人間の場合、基準は前述のとおり年109.5%です。

なお、貸金業者が年20%を超える金利で貸した場合も出資法違反です。金利の刑事罰は「貸した側」に科されるものであり、借りた側が高金利を理由に処罰されることはありません。この立場の違いは次のセクションで詳しく扱います。

行政処分・氏名公表のリスク

刑事罰とは別に、行政処分もあります。登録業者が貸金業法に違反すると、業務停止や登録取り消しの処分を受けます。都道府県によっては、処分を受けた業者名をウェブサイトで公表しています。

無登録の貸し手についても、警察や財務局が情報を公開するケースがあります。一度名前が出れば、社会的な信用への影響は避けられません。罰金や懲役だけがペナルティではないということです。

借りた側は罪に問われる?返済義務はどうなる?

ここまでは主に貸す側の違法性を見てきました。では、違法な個人間融資でお金を借りてしまった側はどうなるのでしょうか。処罰の有無と返済義務は、多くの人が不安に感じるポイントです。順番に整理します。

借り手が処罰対象になるかどうかの整理

出資法違反や貸金業法違反で処罰されるのは、原則として貸し手です。借りただけの人が、高金利や無登録を理由に刑事罰を受けることはありません。

ただし注意点があります。最初から返すつもりがないのに借りれば、詐欺罪に問われる可能性があります。また、違法業者との関わりから別の犯罪に巻き込まれる危険もあります。処罰されないことと、安全であることは別問題です。

上限金利を超えた利息の支払い義務

利息制限法の上限を超える利息は、超えた部分が無効です。年18%が上限のケースで年50%を約束していても、超過分を支払う義務はありません。すでに払い過ぎた分は、返還を求められる場合があります。

貸し手が「約束しただろう」と迫ってきても、法律上の根拠はありません。違法な金利の約束は、約束した本人にも守る義務がありません。言われるがままに払い続ける前に、まず上限金利と照らし合わせてください。

元本の返済義務が争われるケース

利息が無効でも、元本の返済義務は原則として残ります。ここは誤解しやすい点です。ただし例外があります。出資法に反する著しい高金利での貸付は、契約自体が公序良俗に反して無効と判断されることがあります。

ヤミ金融業者からの借入について、元本を含めて返還義務を否定した最高裁の判断も存在します。元本を返すべきかどうかは、金利や貸し手の悪質性によって結論が変わります。自己判断せず、弁護士に相談して見極めるのが確実です。

個人間融資を利用する危険性とは?法律以外のリスク

個人間融資の怖さは、金利だけではありません。法律を無視する相手との取引には、お金以外の被害がついて回ります。実際に報告されている被害のパターンを知って、リスクの全体像をつかんでおきましょう。

違法な取り立て・脅迫的な督促

貸金業法は取り立てのルールを定めています。午後9時から午前8時までの連絡や訪問、正当な理由のない勤務先への連絡、債務者以外への執拗な取り立てなどは禁止行為です。

無登録の貸し手は、このルールを守りません。深夜の連絡、自宅前での待ち伏せ、家族や職場への連絡といった被害が報告されています。返済が1日遅れただけで豹変する相手もいます。借りる前の親切な態度は当てになりません。

個人情報の悪用・二次被害

個人間融資では、借りる条件として身分証の画像や勤務先情報の提出を求められます。渡した情報が悪用される危険は非常に高いと考えてください。

情報がネット上にさらされる、名簿として売買される、別の詐欺のターゲットにされる。こうした二次被害が現実に起きています。お金を返し終えても、渡した個人情報は取り戻せません。これが個人間融資の見えにくいコストです。

「ひととき融資」など金銭以外の要求

金銭の利息の代わりに、性的な関係を要求する手口があります。いわゆる「ひととき融資」です。主に女性がターゲットにされ、社会問題になっています。

断れば写真や個人情報をばらまくと脅されるケースもあります。貸し借りの弱い立場につけ込む行為であり、貸金業法以前に犯罪です。どれだけお金に困っていても、この種の条件を提示してくる相手とは関わらないでください。

すでに個人間融資を利用してしまったときの対処法

もう借りてしまった、取り立てが始まっている。そんな状況でも打つ手はあります。大切なのは1人で抱え込まないことです。証拠の残し方と相談先を、行動の順番に沿って説明します。

まず証拠(やり取り・振込記録)を残す

最初にやるべきことは記録の保全です。SNSのやり取り、DMのスクリーンショット、振込明細、返済の記録。これらをすべて残してください。相手のアカウント情報も保存しておきます。

証拠があれば、相談先での対応が格段にスムーズになります。怖くなってアカウントをブロックしたり履歴を消したりするのは逆効果です。削除は相談が終わってからでも遅くありません。

警察相談専用電話・消費者ホットラインの使い分け

相談窓口は複数あります。状況に応じて使い分けてください。

窓口 電話番号 向いている状況
警察相談専用電話 #9110 脅迫・悪質な取り立てを受けている
消費者ホットライン 188 契約トラブル全般を相談したい
金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811 貸金業に関する情報提供・相談
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター 0570-051051 貸金業者との紛争・家計相談

身の危険を感じる取り立てを受けているなら、ためらわず#9110、緊急時は110番に連絡してください。

弁護士・司法書士へ相談すべきケース

すでに高額な利息を払ってしまった。元本の返済義務を争いたい。相手との交渉を任せたい。こうした場合は弁護士や司法書士の出番です。ヤミ金対応の経験がある事務所を選ぶと話が早く進みます。

費用を心配する人も多いはずです。法テラスを利用すれば、収入等の条件を満たす場合に無料の法律相談を受けられます。初回相談を無料にしている事務所も少なくありません。お金がないから相談できない、と諦める必要はありません。

家族や知人にお金を貸すとき・借りるときの注意点

身近な人との貸し借りは貸金業法の登録義務こそありませんが、トラブルとは無縁ではありません。信頼関係があるからこそ、口約束で済ませてこじれるケースが多いのです。貸す側・借りる側の両方に役立つ実務のポイントをまとめます。

借用書・契約書を作成すべき理由と書き方の要点

個人間の貸し借りでも、必ず書面を残してください。口頭だけだと、貸した事実や条件が後から証明できません。「あげたつもりだった」と言われたら水掛け論になります。

形式は堅苦しくなくて構いません。金額、貸した日、返済期日、利息の有無、双方の署名。この5点が書いてあれば十分に機能します。メールやメッセージで条件を確認し合った記録も、証拠として役立ちます。

利息を設定する場合のルール

個人間の貸し借りでも利息を付けること自体は問題ありません。貸す側にとっては回収不能リスクへの備えになります。ただし上限は守る必要があります。

基準は利息制限法の年15〜20%です。身内への貸付でも、年109.5%を超えれば出資法違反として刑事罰の対象になります。利息を取るなら、利率と計算方法を書面に明記しておきましょう。曖昧さがトラブルの種になります。

返済が滞ったときの対応手順

返済が遅れたら、まずは連絡して事情を確認します。感情的に責めるより、返済計画を立て直す方が回収につながります。分割や期日変更に応じるなら、その内容も書面に残してください。

話し合いで解決しない場合は、内容証明郵便での請求や少額訴訟という手段があります。60万円以下の請求なら、少額訴訟を使えば原則1回の期日で判決まで進めます。貸したお金を諦める前に、弁護士への相談も含めて選択肢を検討してください。

個人間融資に頼らず安全にお金を借りる方法

SNSの個人間融資に目が向くのは、他の選択肢が見えていないときです。実際には、審査に不安がある人でも使える制度や、借りる以外の解決策があります。危険な借入に手を出す前に、ここで挙げる方法を確認してください。

国や自治体の公的貸付制度

収入が少なくて生活が苦しい場合、公的な貸付制度が使えることがあります。代表例が生活福祉資金貸付制度です。低所得世帯などを対象に、無利子または低金利で貸付を行っています。

窓口は住んでいる地域の社会福祉協議会です。民間の審査に通らなかった人でも、条件を満たせば利用できる可能性があります。手続きに時間はかかりますが、安全性は比べものになりません。

登録貸金業者・銀行カードローンの確認方法

民間から借りるなら、正規の業者かどうかを必ず確認してください。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を使えば、業者名や登録番号から無料で検索できます。

登録番号の表示がない、検索してもヒットしない。その相手は無登録の違法業者だと判断して、絶対に借りないでください。正規の消費者金融や銀行カードローンは、利息制限法の範囲内の金利で運営されています。

支払いの猶予・減免を先に相談する選択肢

そもそも借りずに済む方法もあります。お金が必要な理由が支払いなら、支払先に相談するのが先です。税金や公共料金、家賃には、猶予や分割の制度が用意されていることがあります。

すでに借金の返済に追われているなら、債務整理という道もあります。新たに借りて返す自転車操業は、状況を悪化させるだけです。借りる前に「支払いを遅らせる」「減らす」交渉ができないか、一度立ち止まって考えてみてください。

貸金業法は今後どう変わる?改正の動向

貸金業法の基本的な枠組みは、2010年の完全施行から大きく変わっていません。ただし今、約20年ぶりの本格改正が議論されています。個人間融資への影響はあるのか、動向と情報の追い方を押さえておきましょう。

約20年ぶりの本格改正が検討されている背景

金融庁は2026年、貸金業法の本格的な見直しの検討に入りました。2006年の改正法成立以来、大規模な改正は行われていません。早ければ2027年の通常国会への法案提出が視野に入っています。

主な狙いは、法人向け融資の規制を実態に合わせて柔軟にすることです。企業の資金調達を後押しし、大型の投資やM&Aを進めやすくする趣旨とされています。個人を狙った規制緩和ではない点を押さえてください。

個人向け規制はどう扱われる見通しか

個人の利用者保護については、徹底したうえで見直しを進める方針が示されています。つまり、無登録営業の禁止や上限金利といった個人間融資に関わるルールが緩む方向ではありません。

2026年7月時点で、SNS経由の個人間融資を取り巻く法規制に変更はなく、この記事で解説した内容が現在も有効です。「法律が変わって個人間融資が解禁された」といった話を見かけたら、まず疑ってください。

最新情報を確認できる公的な情報源

法改正の情報は、一次情報で確認するのが確実です。金融庁のウェブサイトには、貸金業法の解説ページや注意喚起、改正に関する発表がまとまっています。条文そのものはe-Gov法令検索で読めます。

まとめサイトやSNSの情報は、古かったり不正確だったりします。お金と法律に関わる判断は、発信元が国の機関かどうかを基準にしてください。このひと手間が、誤情報による損失を防ぎます。

個人間融資と貸金業法に関するよくある質問(FAQ)

ここまでの内容を踏まえて、検索で多く見られる疑問に答えます。自分のケースに近いものから読んでください。

1回だけ知人にお金を貸すのは違法ですか?

違法ではありません。頼まれて1度貸す程度の行為は「業として」の貸付に当たらず、貸金業の登録も不要です。家族や友人間の一時的な貸し借りは、貸金業法の規制対象外です。

ただし、金利には注意してください。個人間でも出資法の上限(年109.5%)を超える利息を取れば刑事罰の対象です。トラブル防止のため、1回きりでも借用書は作っておきましょう。

無利息なら個人間融資をしても問題ありませんか?

金利の違反は生じません。しかし、それで安全とは限りません。不特定多数に向けて繰り返し貸す意思があれば、無利息でも貸金業に該当する可能性があります。

借りる側にもリスクは残ります。「無利息」をうたって近づき、個人情報の収集や別の要求を目的にする手口が存在します。見知らぬ相手の「タダより高いものはない」と考えてください。

SNSで借りる約束をしただけでも危険はありますか?

あります。約束の段階で、すでに氏名や連絡先、身分証の画像を渡しているケースが多いからです。渡した情報が悪用されたり、キャンセル料と称した請求を受けたりする被害が起きています。

まだ振込を受けていないなら、それ以上やり取りを進めないでください。やり取りの記録を保存したうえで、消費者ホットライン188に相談するのが安全です。脅しを受けた場合は#9110に連絡してください。

個人間融資の相手が取り立てに来たら警察は動きますか?

内容によります。単なる貸し借りの争いは民事とされ、警察が介入しない場合があります。一方で、脅迫、暴力、深夜の押しかけ、勤務先への執拗な連絡などがあれば、事件として対応してもらえる可能性が高まります。

だからこそ証拠が重要です。録音、メッセージの保存、被害のメモがあると、警察も具体的に動きやすくなります。まずは#9110で状況を伝え、対応方法の助言を受けてください。

貸金業登録をしているか確認する方法はありますか?

あります。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、商号や登録番号から検索できます。誰でも無料で使えます。日本貸金業協会のサイトでも、悪質業者に関する情報を確認できます。

検索して出てこない相手は、無登録の違法業者です。登録番号を名乗っていても、実在する業者の番号をかたる「なりすまし」があるため、番号と商号の両方が一致するか確かめてください。

まとめ:個人間融資は貸金業法・出資法のラインを必ず確認

個人間融資の違法性は、「業として貸しているか」「金利が上限を超えていないか」の2点で判断できます。SNS経由の融資はこの両方に触れる可能性が高く、貸し手だけでなく借り手にも深刻な被害が及びます。一方で、家族や知人との貸し借りは書面と金利のルールを守れば有効な手段です。

今日できる行動は具体的です。借りる予定の相手がいるなら、金融庁の検索サービスで登録の有無を調べる。すでに関わってしまったなら、記録を保存して188か#9110に連絡する。お金に困っているなら、社会福祉協議会の貸付制度を調べる。なお、借金の返済自体が限界なら、任意整理や自己破産といった債務整理の制度が法律で用意されています。返す方法だけでなく、減らす・整理する方法にも目を向けてください。

参考文献

  • 「SNS等を利用した『個人間融資』にご注意ください!」-「金融庁」
  • 「多重債務者対策・貸金業法等について」-「金融庁」
  • 「貸金業法」-「e-Gov法令検索」
  • 「上限金利について」-「日本貸金業協会」
  • 「個人間融資に関する注意喚起」-「国民生活センター」