友達がお金を返してくれない時の対処法7つ|NG行動と法的手段も解説

友達がお金を返してくれない時の対処法7つ|NG行動と法的手段も解説 お金のコラム

「貸したお金、いつ返してくれるんだろう」。そんなモヤモヤを抱えていませんか。友達がお金を返してくれないと、催促したい気持ちと関係を壊したくない気持ちの間で揺れますよね。実は、伝え方と手順さえ間違えなければ、友情を保ったまま回収できる可能性は十分あります。

この記事では、友達がお金を返してくれないときの対処法を7つ紹介します。角を立てないLINEの例文、借用書がない場合の考え方、少額訴訟などの法的手段まで順番に解説します。泣き寝入りする前に、できることから確認していきましょう。

  1. 友達がお金を返してくれないのはなぜ?よくある心理とは
    1. 忘れている・少額だから軽く考えている
    2. 返したいけれど手元にお金がない
    3. 最初から返す気がない・関係を軽く見ている
  2. 催促する前に確認しておきたいことは?
    1. 貸した証拠(LINE・振込履歴・借用書)はあるか
    2. 返済期限を決めていたか・「あげた」と誤解されていないか
    3. 金額と友人関係、どこまで踏み込むかの線引き
  3. お金を返してくれない友達への対処法7つ
    1. 1. まずはLINEやメールでやんわり催促して証拠を残す
    2. 2. 電話や直接会って返済の意思を確認する
    3. 3. 返済期限と金額をあらためて書面・文面で取り決める
    4. 4. 相手にお金がない場合は分割払いを提案する
    5. 5. 内容証明郵便で正式に請求する
    6. 6. 支払督促や少額訴訟など裁判所の手続きを使う
    7. 7. 弁護士や法テラスに相談して回収を依頼する
  4. 角を立てずに催促するLINEの伝え方とは?【例文つき】
    1. 最初の軽い催促に使える例文
    2. 既読無視・曖昧な返事が続くときの例文
    3. 期限を区切って最終確認する例文
  5. 催促でやってはいけないNG行動とは?
    1. 脅し文句・執拗な連続連絡は違法になるおそれがある
    2. SNSでの晒し行為は名誉毀損リスクが大きい
    3. 勝手に相手の物を持ち帰る・職場に押しかける
  6. 借用書がなくてもお金は取り戻せる?
    1. 口約束でも金銭消費貸借は成立する
    2. LINEのやり取り・振込履歴が証拠になる理由
    3. 今からでも作れる「債務承認書」とは
  7. 警察に相談したら動いてくれる?
    1. 貸し借りトラブルは原則「民事不介入」となる理由
    2. 詐欺罪や恐喝が疑われるケースなら刑事事件になり得る
    3. 警察相談専用電話「#9110」の活用場面
  8. 法的手段で回収するにはどうすればいい?
    1. 内容証明郵便の書き方と心理的効果
    2. 支払督促の流れと注意点(異議申立てで訴訟移行)
    3. 少額訴訟が使える条件は60万円以下・原則1回の審理
  9. 貸したお金に時効はある?何年で消える?
    1. 改正民法(2020年4月施行)で時効は原則5年
    2. 時効を止める「催告」「債務承認」とは
    3. 時効が近いときに内容証明が有効な理由
  10. 弁護士に相談する目安と費用はいくら?
    1. 相談を検討すべき金額・状況の目安
    2. 相談料・着手金・成功報酬の一般的な相場感
    3. 法テラスの無料相談・立替制度を使う条件
  11. 今後トラブルを防ぐには?友達とお金の付き合い方
    1. 貸すなら「あげたつもり」で出せる金額まで
    2. 貸すときに必ず文面で条件を残す習慣
    3. 断り方の例文と関係を保つコツ
  12. よくある質問(FAQ)
    1. 数千円の少額でも催促していいですか?
    2. 相手が既読無視・音信不通の場合はどうすればいいですか?
    3. 共通の友人に間に入ってもらうのはアリですか?
    4. 少額訴訟にかかる費用はどのくらいですか?
    5. 相手が「借りた覚えがない」と言い出したらどうなりますか?
  13. まとめ
    1. 参考文献

友達がお金を返してくれないのはなぜ?よくある心理とは

対処法の前に、相手の頭の中を想像してみましょう。返さない理由によって、取るべき行動が変わるからです。相手のタイプを見誤ると、催促が逆効果になることもあります。まずは3つの典型パターンを知っておいてください。

忘れている・少額だから軽く考えている

意外に多いのが、単純に忘れているケースです。数千円程度の貸し借りだと、借りた側の記憶からすっぽり抜け落ちていることがあります。悪気がない分、こちらが思い詰めているほど相手は何とも思っていません。

このタイプなら、軽く一言伝えるだけで解決します。貸した側は覚えていても、借りた側は忘れているのが貸し借りの現実です。「言いにくい」と悩む時間がもったいないケースともいえます。

返したいけれど手元にお金がない

返す気はあるのに、お金がなくて返せないパターンです。この場合、強く迫るほど相手は追い詰められます。連絡を絶たれてしまえば、回収はさらに難しくなります。

必要なのは催促の強さではなく、返せる形の提案です。分割払いや期限の延長など、相手が「それならできる」と思える着地点を用意しましょう。具体的な方法は後の章で説明します。

最初から返す気がない・関係を軽く見ている

一番厄介なのがこのタイプです。催促をはぐらかす、話題を変える、既読無視をする。こうした行動が続くなら、返す意思そのものを疑う必要があります。

このケースでは、友情ベースの話し合いだけでは動きません。証拠の確保と法的手段の準備を並行して進めることが現実的な選択になります。感情ではなく、手順で解決する段階です。

催促する前に確認しておきたいことは?

いきなり催促する前に、足元を固めましょう。準備なしで動くと、「借りてない」と言われたときに打つ手がなくなります。ここで確認するのは3点だけです。数分でできるので、先に済ませてください。

貸した証拠(LINE・振込履歴・借用書)はあるか

まず、貸したことを示す記録を集めます。借用書がなくても諦める必要はありません。LINEのやり取り、銀行の振込履歴、ATMの利用明細も証拠になります。

「1万円貸して」「ありがとう、月末に返す」といった会話が残っていれば十分に有力です。証拠は催促の前に必ずスクリーンショットで保存してください。相手にブロックされると、トーク履歴を確認できなくなる場合があるからです。

返済期限を決めていたか・「あげた」と誤解されていないか

次に、貸したときの条件を思い出しましょう。期限を決めずに貸した場合、法律上は「期限の定めのない債務」になります。この場合、返してと請求した時点から返済義務の遅れが発生します。

つまり、請求しない限り期限は来ないという状態です。また、おごりや援助と誤解されていないかも重要です。「貸したお金」だと相手が認識しているか、催促の文面で自然に確認しておくと安心です。

金額と友人関係、どこまで踏み込むかの線引き

最後に、自分の中でゴールを決めます。全額回収を最優先にするのか、関係の維持を優先するのか。この線引きが曖昧だと、催促の途中で迷いが出ます。

たとえば3,000円なら、1回催促してダメなら勉強代と割り切る選択もあります。10万円なら法的手段まで視野に入るでしょう。金額と関係性を天秤にかけて、撤退ラインを先に決めておくと冷静に動けます。

お金を返してくれない友達への対処法7つ

ここからが本題です。対処法は軽いものから重いものへ、7段階で用意しました。順番に進めるのが基本です。いきなり法的手段に飛ばず、下の表で全体の流れをつかんでから読み進めてください。

段階 対処法 関係へのダメージ
1 LINEでやんわり催促 ほぼなし
2 電話・対面で確認
3 返済条件を文面で取り決め
4 分割払いの提案
5 内容証明郵便
6 支払督促・少額訴訟
7 弁護士・法テラスへ相談

1. まずはLINEやメールでやんわり催促して証拠を残す

最初の一手は文面での催促です。口頭ではなく文面を使う理由は2つあります。証拠として残ること。そして、相手が落ち着いて読めることです。

文面での催促は「請求した事実」の証拠にもなるため、後の法的手段でも役立ちます。責める口調は避けて、事実と希望だけを短く伝えましょう。具体的な例文は次の章で紹介します。

2. 電話や直接会って返済の意思を確認する

文面で反応がなければ、電話や対面に切り替えます。声や表情からは、文面では分からない本気度が見えます。返す気があるのか、ないのか。ここを見極めるのが目的です。

会うときは2人きりを避け、カフェなど人目のある場所を選びましょう。会話を録音しておくと、返済の約束が証拠として残ります。自分が参加している会話の録音は、基本的に問題ありません。

3. 返済期限と金額をあらためて書面・文面で取り決める

返す意思が確認できたら、その場の口約束で終わらせないでください。金額、期限、返し方の3点を文面に残します。紙の借用書が理想ですが、LINEでの合意でも意味があります。

「10月末までに20,000円、振込で返す。OK?」と送り、「OK」と返信をもらう。これだけで相手が借金を認めた「債務承認」の記録になります。時効の面でも大きな意味を持つので、必ず残しましょう。

4. 相手にお金がない場合は分割払いを提案する

「今は全額無理」と言われたら、分割払いに切り替えます。月5,000円でも、回収が進むほうが現実的です。相手にいくらなら払えるかを聞いて、無理のない金額を設定しましょう。

ここでも合意内容は必ず文面に残します。支払いが2回滞ったら残額を一括請求するといった条件を加えておくと、なし崩しを防げます。譲歩と記録はセットだと覚えてください。

5. 内容証明郵便で正式に請求する

話し合いで動かないなら、内容証明郵便の出番です。内容証明とは、いつ・誰が・どんな内容の文書を送ったかを日本郵便が証明してくれる郵便です。

法的な強制力はありません。それでも「本気で回収するつもりだ」という心理的プレッシャーは絶大です。ここで返済に応じる人は少なくありません。書き方は法的手段の章で詳しく説明します。

6. 支払督促や少額訴訟など裁判所の手続きを使う

内容証明でも無視されたら、裁判所の手続きに進みます。代表的なのは支払督促と少額訴訟の2つです。どちらも弁護士なしで、自分だけで申し立てできます。

「裁判なんて大げさ」と感じるかもしれません。しかし少額訴訟は60万円以下の請求に特化した、簡易な手続きです。原則1回の審理で終わるため、時間の負担も限定的です。詳細は後の章で解説します。

7. 弁護士や法テラスに相談して回収を依頼する

金額が大きい場合や、相手が徹底的に争う姿勢の場合は、専門家に任せましょう。弁護士名義の請求書が届くだけで、態度が変わる相手は多いものです。

費用が心配なら、法テラス(日本司法支援センター)が使えます。収入などの条件を満たせば無料の法律相談や費用の立替制度を利用できます。1人で抱え込む前に、相談だけでもしてみてください。

角を立てずに催促するLINEの伝え方とは?【例文つき】

対処法の中で一番使うのがLINEでの催促です。とはいえ、どう書けばいいか迷いますよね。ポイントは、責めずに事実を確認する形にすることです。段階別に3つの例文を用意したので、そのまま使ってください。

最初の軽い催促に使える例文

初回の催促は、思い出してもらうことがゴールです。責める要素はゼロにします。別の話題のついでに触れると、相手も受け取りやすくなります。

そういえばこの前貸した10,000円って、いつごろ返せそう?
急ぎじゃないんだけど、予定だけ聞いておきたくて!

「返して」ではなく「いつ返せそう?」と聞くのがコツです。期日を相手に言わせることで、約束としての効力が生まれます。返ってきた日付は、そのまま証拠として残ります。

既読無視・曖昧な返事が続くときの例文

「また今度」「ごめん忘れてた」が続く段階では、少しだけ具体性を上げます。感情はまだ抑えたまま、日付と金額を明確にするのがポイントです。

先月話した10,000円の件、こちらも予定があるので
今月末までにお願いできると助かります。
難しければ、いつなら大丈夫か教えてください。

「こちらも予定がある」という一言で、待てない事情を柔らかく伝えられます。それでも曖昧な返事なら、相手の返済意思を疑うサインだと考えてください。

期限を区切って最終確認する例文

友人間での解決を諦める直前の、最後の文面です。次の段階に進む予告を含めます。脅しではなく、事実の予告として淡々と書くのが重要です。

何度かお願いしていた10,000円について、最終確認です。
今月15日までにご返済いただけない場合は、
内容証明郵便など正式な手続きを検討します。
そうなる前に解決したいので、ご連絡ください。

「手続きを検討します」は正当な請求の範囲内であり、脅迫にはあたりません。ここまで書いて反応がなければ、迷わず次の段階へ進みましょう。

催促でやってはいけないNG行動とは?

催促には、やってはいけないラインがあります。貸した側なのに、やり方次第でこちらが加害者になってしまうのです。せっかくの正当な請求を台なしにしないよう、3つのNGを押さえてください。

脅し文句・執拗な連続連絡は違法になるおそれがある

「返さないと痛い目に遭うぞ」といった文言は、脅迫罪や恐喝罪に問われるおそれがあります。お金を返してもらう権利があっても、脅す権利はありません。

深夜の連続電話や1日に何十件ものメッセージも危険です。度を超えた催促は、こちらが法的責任を問われる側になり得ます。頻度は常識の範囲に抑え、記録に残して困らない言葉だけを使いましょう。

SNSでの晒し行為は名誉毀損リスクが大きい

「〇〇がお金を返してくれない」とSNSに書きたくなる気持ちは分かります。しかし、これは絶対にやめてください。たとえ事実でも、名誉毀損が成立する可能性があります。

名誉毀損は事実であっても成立し得るのがポイントです。逆に損害賠償を請求され、回収額より支払額が大きくなる本末転倒も起こり得ます。怒りの発散は、法的に安全な方法で行いましょう。

勝手に相手の物を持ち帰る・職場に押しかける

「返してくれないなら、代わりにこれをもらう」。この行動は窃盗罪にあたるおそれがあります。日本の法律では、権利があっても自力で取り立てる行為は認められていません。

これを自力救済の禁止と呼びます。職場への押しかけも、業務妨害と評価されるリスクがあります。回収は必ず、話し合いか裁判所の手続きを通して行ってください。

借用書がなくてもお金は取り戻せる?

「借用書がないから無理かも」と諦めていませんか。結論から言うと、借用書がなくても回収は可能です。多くの人が誤解しているポイントなので、ここで法律上の考え方を整理しておきましょう。

口約束でも金銭消費貸借は成立する

お金の貸し借りは、法律上「金銭消費貸借契約」と呼ばれます。この契約は、書面がなくても成立します。「貸して」「いいよ」という合意と、お金の受け渡しがあれば十分です。

つまり口約束でも、法律上の貸し借りは有効に成立しています。借用書は契約の条件ではなく、あくまで証明の道具です。問題は契約の有無ではなく、証明できるかどうかに絞られます。

LINEのやり取り・振込履歴が証拠になる理由

では、何で証明するのか。日常の記録が証拠になります。「1万円貸して」というメッセージと、同日の10,000円の振込履歴。この2つが揃えば、貸し借りの説明として強力です。

ほかにも使える記録はあります。

  • 「来月返すね」などの返済に触れたメッセージ
  • 手渡し直前のATM出金明細
  • 返済を約束した会話の録音

単体では弱い証拠も、組み合わせれば力を持ちます。今から集められるものを、すべて保存してください。

今からでも作れる「債務承認書」とは

証拠が心もとないなら、今から作る方法があります。それが債務承認書です。「〇年〇月に借りた10,000円を、〇月末までに返します」と相手に書いてもらう書面を指します。

紙が理想ですが、LINEで同じ内容を認めさせるだけでも価値があります。相手が借金を認めた記録は、借用書に近い役割を果たします。分割払いの相談など、話し合いの流れで自然に残すのがコツです。

警察に相談したら動いてくれる?

「警察に言えば解決するのでは」と考える人は多いはずです。ただ、結論には注意が必要です。期待とは違う対応になるケースがほとんどだからです。動いてもらえる場合と、そうでない場合の線引きを知っておきましょう。

貸し借りトラブルは原則「民事不介入」となる理由

単なる貸し借りの未返済は、民事トラブルに分類されます。警察は民事に介入しない原則があるため、「当事者間で解決してください」と案内されるのが通常です。

冷たく感じるかもしれません。しかし「返してくれない」だけでは犯罪ではないのです。犯罪でない以上、警察が取り立てを代行することはありません。回収の主戦場は、裁判所の手続きになります。

詐欺罪や恐喝が疑われるケースなら刑事事件になり得る

例外はあります。最初から返す気がないのに嘘をついて借りた場合、詐欺罪が成立する可能性があります。「親が入院した」などの嘘で借りたケースが典型です。

ただし、借りた時点で返す意思がなかったことの立証は簡単ではありません。後から返せなくなっただけでは詐欺になりません。嘘の証拠がある場合に限り、刑事告訴という選択肢が出てきます。

警察相談専用電話「#9110」の活用場面

事件かどうか判断がつかないときは、警察相談専用電話「#9110」が使えます。緊急通報の110番とは別の、相談専用の窓口です。

詐欺の疑いがあるか、脅されて怖い状況か。そうした「事件性があるかどうかの見立て」を聞けるのが利点です。相手から逆に脅迫めいた言動をされた場合も、迷わずここに相談してください。

法的手段で回収するにはどうすればいい?

話し合いで解決しないなら、法的手段の出番です。名前だけ聞くと難しそうですが、個人で使える制度が整っています。ここでは内容証明、支払督促、少額訴訟の3つを、使う順番に沿って解説します。

内容証明郵便の書き方と心理的効果

内容証明には、決まった要素を盛り込みます。貸した日付と金額、返済期限、振込先、期限までに返済がない場合は法的手続きに移る旨。この4点が柱です。

日本郵便の窓口や、インターネットのe内容証明から送れます。「裁判の準備が整っている」と相手に伝わることが最大の効果です。行政書士や弁護士名義で送ると、プレッシャーはさらに強まります。

支払督促の流れと注意点(異議申立てで訴訟移行)

支払督促は、簡易裁判所を通じて支払いを命じてもらう手続きです。書類審査だけで進むため、裁判所に出向く必要がありません。相手が異議を出さなければ、強制執行まで進めます。

ただし弱点があります。相手が異議を申し立てると、通常の訴訟に移行する点です。貸し借りの事実を相手が争いそうな場合には向きません。争いがなく、ただ払わないだけの相手に有効な手段です。

少額訴訟が使える条件は60万円以下・原則1回の審理

60万円以下の金銭請求なら、少額訴訟が使えます。簡易裁判所で行われ、原則1回の審理で判決まで出ます。手数料は請求額に応じますが、数千円程度です。

弁護士に依頼しなくても、自分1人で申し立てできるのが大きな利点です。LINEの履歴や振込明細を証拠として提出します。なお、相手の希望で通常訴訟に移行する場合がある点は、支払督促と同様です。

貸したお金に時効はある?何年で消える?

実は、貸したお金には時効があります。放置し続けると、請求する権利そのものが消えてしまうのです。「いつか返してくれるはず」と待っている人ほど、この章は必ず読んでください。

改正民法(2020年4月施行)で時効は原則5年

2020年4月施行の改正民法で、貸したお金の消滅時効は原則5年になりました。正確には、権利を行使できると知った時から5年です。返済期限を決めていたなら、その期限の翌日からカウントが始まります。

古い記事には「個人間は10年」と書かれていることがあります。2020年4月以降の貸し借りは、原則5年で時効にかかると覚えてください。思ったより短い、というのが多くの人の感想のはずです。

時効を止める「催告」「債務承認」とは

時効の完成を防ぐ方法はあります。代表的なのが催告と債務承認です。催告とは、内容証明などで請求することです。催告から6か月間、時効の完成が猶予されます。

もう1つの債務承認は、相手が借金の存在を認めることです。「来月返すね」というLINEの返信も承認にあたり得ます。承認があると時効はリセットされ、そこから再びカウントが始まります。

時効が近いときに内容証明が有効な理由

「もうすぐ5年経ってしまう」という場面では、内容証明が切り札になります。ただの口頭の請求では、催告した事実を証明できないからです。

内容証明なら、請求した日付が公的に記録されます。猶予された6か月の間に、訴訟や支払督促の準備を進めるのが正しい使い方です。時効ギリギリの案件は、時間との勝負だと考えてください。

弁護士に相談する目安と費用はいくら?

「弁護士なんて大げさでは」とためらう人は多いでしょう。実際は、相談だけなら気軽に使える仕組みが整っています。依頼すべき目安と費用の相場を知れば、判断しやすくなるはずです。

相談を検討すべき金額・状況の目安

すべてのケースで弁護士が必要なわけではありません。目安になるのは、金額と相手の態度です。数十万円以上の貸し付けなら、依頼を検討する価値があります。

金額が小さくても、相手が「借りていない」と主張する場合は要注意です。事実関係を争われたら、素人だけでの対応は不利になりがちです。逆に少額で争いもないなら、少額訴訟を自力で使うほうが割に合います。

相談料・着手金・成功報酬の一般的な相場感

費用の内訳は主に3つです。相談料、着手金、成功報酬。執筆時点の一般的な目安を表にまとめます。事務所によって幅があるため、必ず個別に確認してください。

費用の種類 目安
相談料 30分5,000円程度(無料の事務所も多い)
着手金 請求額の約8%前後
成功報酬 回収額の約16%前後

注意すべきは費用倒れです。回収額より弁護士費用が高くつくなら、依頼する意味がありません。見積もりを取り、回収見込みと比べてから決めましょう。

法テラスの無料相談・立替制度を使う条件

費用がネックなら、法テラスを検討してください。法テラスは国が設立した法律支援の窓口です。収入と資産が一定基準以下なら、同じ内容について3回まで無料で法律相談ができます。

弁護士費用の立替制度もあります。立て替えてもらった費用は、月々分割で償還していく仕組みです。「お金がないから相談できない」という状況を解消するための制度なので、遠慮なく活用しましょう。

今後トラブルを防ぐには?友達とお金の付き合い方

今回のトラブルが解決しても、同じことを繰り返しては意味がありません。最後に、友達とお金の健全な付き合い方を整理します。貸す前の心構えと断り方を知っておけば、次のモヤモヤは防げます。

貸すなら「あげたつもり」で出せる金額まで

友達にお金を貸すときの鉄則があります。返ってこなくても許せる金額しか貸さないことです。生活に響く金額を貸すと、返済の遅れがそのまま人間関係の憎しみに変わります。

「あげたつもりで出せる額」が、友情を壊さない貸し借りの上限です。それを超える相談をされたら、貸すのではなく一緒に解決策を考える側に回りましょう。金融機関や公的支援の情報を教えるのも立派な助けです。

貸すときに必ず文面で条件を残す習慣

それでも貸すと決めたなら、条件を文面に残す習慣をつけてください。金額、返済日、返し方の3点をLINEで送り、了解の返事をもらう。これだけで十分です。

「友達なのに水くさい」と感じるかもしれません。しかし実際は逆です。条件が明確なほうが、お互いに気まずさを引きずりません。きちんとした人だと思われこそすれ、嫌われる理由にはなりません。

断り方の例文と関係を保つコツ

貸したくないときは、断る勇気も必要です。コツは、相手ではなくお金を理由にすることです。人格を否定せず、事情として断れば角が立ちません。

ごめん、今月は自分の支払いがあって余裕がないんだ。
力になれなくて申し訳ないけど、お金以外でできることがあれば言って!

「貸せない」ではなく「余裕がない」と伝えるのがポイントです。1度きっぱり断れる関係のほうが、長い目で見れば健全に続きます。

よくある質問(FAQ)

ここまでの内容で拾いきれなかった疑問に答えます。実際によく検索されている質問を5つ選びました。自分の状況に近いものからチェックしてください。

数千円の少額でも催促していいですか?

もちろん催促して構いません。金額の大小と、返してもらう権利の有無は無関係です。3,000円でも貸したお金はあなたのものです。

ただし、かける労力は金額と釣り合わせましょう。少額なら軽いLINEの催促を1〜2回試し、ダメなら距離を置く判断も現実的です。お金は戻らなくても、相手の人間性が分かったと考える割り切り方もあります。

相手が既読無視・音信不通の場合はどうすればいいですか?

まず、すべてのやり取りをスクリーンショットで保存してください。ブロックされると履歴の確認が難しくなる場合があります。証拠の保全が最優先です。

連絡が取れなくても、住所が分かれば内容証明や支払督促は送れます。無視を続けても、法的手続きからは逃げられません。住所が不明な場合の調査は、弁護士に相談すると道が開けます。

共通の友人に間に入ってもらうのはアリですか?

慎重に判断してください。信頼できる人が間に入ると、相手が観念して返すケースはあります。第三者の目があると、はぐらかしにくくなるからです。

一方でリスクもあります。共通の友人まで気まずくなり、グループ全体の関係がこじれるおそれがあるのです。頼むなら口の堅い1人だけに絞り、事実だけを共有するようにしましょう。

少額訴訟にかかる費用はどのくらいですか?

主な費用は、裁判所に納める手数料と郵便切手代です。手数料は請求額10万円ごとに1,000円が目安です。10万円の請求なら手数料1,000円に、切手代数千円が加わる計算です。

合計しても数千円程度に収まるのが一般的です。1万円を超える貸し付けなら、費用倒れになりにくい手続きといえます。正確な金額は、申し立て先の簡易裁判所で確認してください。

相手が「借りた覚えがない」と言い出したらどうなりますか?

貸した事実を証明する証拠が勝負になります。LINEの会話、振込履歴、録音などを組み合わせて主張していく流れです。証拠が揃っていれば、過度に恐れる必要はありません。

事実を争われた時点で、話し合いでの解決は難しいと考えましょう。争いのある案件は支払督促に不向きなため、少額訴訟か通常訴訟が軸になります。証拠の評価に不安があれば、弁護士の無料相談で見立てを聞くのが近道です。

まとめ

友達がお金を返してくれない問題は、感情で動くほどこじれます。証拠を保存し、LINEで期日を確認し、応じなければ内容証明から法的手段へ。この順番さえ守れば、1人でも打てる手は想像以上に多くあります。時効が原則5年である点も忘れないでください。

なお、貸したお金の問題は借りる側の金銭事情と地続きです。相手が多重債務を抱えているなら、返済交渉と並行して債務整理という道もあります。また、家族や恋人との貸し借りでは贈与税の扱いが関わる場合もあり、友人間とは別の注意点が出てきます。まずは手元の証拠を今日スクリーンショットで保存すること。それが解決への最初の一歩です。

参考文献

  • 「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」-「法務省」
  • 「少額訴訟」-「裁判所」
  • 「支払督促」-「裁判所」
  • 「民事調停手続」-「裁判所」
  • 「内容証明」-「日本郵便」
  • 「法テラス(日本司法支援センター)公式サイト」-「法テラス」